ボトックス治療のご案内


リハビリテーション科医長
尾花 正義

ボトックス治療とは、主に脳卒中後の後遺症で筋の過緊張による手足のつっぱり(痙縮)に対して行う新しい治療法です。緊張した筋肉へ緊張を和らげる薬剤を注射して、つっぱりを軽減させます。当院では2011年1月より治療を開始しました。2016年1月現在の治療実績は上肢164件、下肢220件です。実際に受けられた患者さまからも「歩きやすくなった!」「手が開くようになった!」と日常生活の不都合が軽減したとの声をいただいております。手足のつっぱりでお悩みの方は、是非一度当院のボトックス治療外来へご相談下さい。

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外来・入院治療

外来診療日:木曜午後 14:00~16:00

当院リハビリテーション科では、脳卒中後遺症などによる手足のつっぱり(痙縮)に対して、ボトックス治療をリハビリテーション(理学療法・作業療法)と併用して、3~4週間の入院で行っています。手足のつっぱりやそれに伴う歩行などの日常生活動作の不自由さには、ボトックス治療だけでなく、リハビリテーションを併用することでより効果が認められます。

外来予約は電話にて受け付けております
電話番号:03-5734-5489

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脳卒中と手足のつっぱり(痙縮)

 脳卒中でよくみられる運動(機能)障害の一つに手足のつっぱりという症状があります。手足のつっぱりとは筋肉が緊張しすぎて、手足が動かしにくくなったり、勝手に動いてしまう状態のことです。
手足のつっぱりは、手指が握ったままとなり開こうとしても開きにくい、肘が曲がる、足先が足の裏側のほうに曲がってしまうなどの症状がみられます。
 手足のつっぱりによる姿勢異常が長く続くと、筋肉が固まって関節の運動が制限され(これを拘縮(こうしゅく)といいます)、日常生活に支障が生じてしまいます。また、手足のつっぱりがリハビリテーションの障害となることもあるので、その治療が重要となります。

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ボトックス治療と効果

ボトックス治療は、ボツリヌス菌が作り出す天然のたんぱく質(ボツリヌス毒素)を有効成分とする薬(ボトックス®)を筋肉内に注射する治療法です。 ボトックスには、筋肉をつっぱらせている神経の働きを抑える作用があり、このボトックスを注射すると、筋肉のつっぱりをやわらげることができます。

歩きやすく
なります
着替えやすく
なります
料理がしやすく
なります
食事がしやすく
なります
介護の負担が
軽減します

イラスト:OTナガミネのリハビリイラスト集より

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ボトックス治療の副作用

ボトックス注射を受けた後に副作用が出る場合があります。症状は以下のようなものがあります。

  • 注射部位がはれる、赤くなる、痛みを感じる
  • 体がだるい、力が入らない、立っていられない
  • 吐き気がする
  • 呼吸が苦しい
  • 全身が赤くなる
  • 物が飲み込みにくい
  • けいれんがおこる

※これらの症状の多くは一時的なものですが、症状があらわれた場合は担当医師に相談してください。

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当院のボトックス治療の流れ

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当院ボトックス治療の特徴

チーム連携

 当院のボトックス治療はさまざまな職種が連携して治療にあたります。
患者さんがなぜ困っているのか、またその家族がなぜ困っているのかを 理解し、医師によるボトックス治療の適応判断、リハビリテーションを担当する理学療法士、作業療法士がその筋肉などを評価し、必要であれば義肢装具士による装具の検討を行います。患者↔医療者の意思の疎通はもちろん、野球で言えば投手と捕手のバッテリーのような連携で多職種で手足のつっぱりの治療にあたります。

注射の方法

当院のボトックス注射は筋電計と超音波エコーを活用して、筋肉に対して、より正確にボトックスを注射するようにしています。
比較的皮膚に近い筋肉は見て、触ればわかります。しかし、皮膚から深い場所にある筋肉は、場所の特定が困難な場合があり、狙った筋肉に薬剤が注入できない場合があります。このようなことを防ぎ、ボトックスの効果を最大限発揮するために筋電計と超音波エコーを用いて、注射しています。

リハビリテーション

理学療法 作業療法 自主トレーニング指導
装具療法 電気刺激装置 運動+電気刺激

ボトックス治療を受けられる方は施注前から理学療法士、作業療法士によるリハビリテーションを行います。理学療法士、作業療法士は手足のつっぱりがバランスや歩行、日常生活の動作にどのように影響しているかを考え治療を行います。
ボトックス注射後は同日よりリハビリテーションを開始します。 リハビリテーションのプログラムは電気治療やストレッチ、筋力トレーニング、バランス練習、歩行練習、食事や家事などの具体的な動作練習などを基本に患者の個々に応じたプログラムを作ります。

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所属学会・資格

日本ボツリヌス治療学会
3名
日本リハビリテーション医学会
3名
日本理学療法士協会
8名
日本作業療法士協会
5名
日本義肢装具学会
2名
日本リハビリテーション医学会専門医
2名
身体障害者指定医
2名
脳卒中認定理学療法士
2名
補装具認定理学療法士
1名

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ボトックスに関する学会報告・研究実績

  • The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine 49巻(2012年5月) 原田貴子(医師)、尾花正義(医師)他 【ボツリヌス治療パスの導入とその効果】
  • 総合リハビリテーション42巻10号 原田貴子(医師)、尾花正義(医師)他【ボトックス®クリニカルパスと入院リハビリテーションを併用した当院での試み】
  • 痙縮に対するボツリヌス療法勉強会(田園調布医師会) 尾花正義(医師)【痙縮に対するボツリヌス治療】
  • 田園調布医師会学術講演会 尾花正義(医師) 【脳卒中に伴う痙縮(手足のつっぱり)に対するボツリヌス治療】
  • 第2回日本ボツリヌス治療学会ポスター発表 髙橋忠志(理学療法士)、尾花正義(医師)他【ボツリヌス治療に理学療法・装具療法の併用が有効であったパーキンソン病の一症例】 
  • 第3回日本ボツリヌス治療学会主題2「訓練士の考えるボツリヌス治療」 栗田慎也(理学療法士)、尾花正義(医師)他【入院ボツリヌス治療患者に対する医師先行型から療法士先行型への介入変更とその取り組み】
  • 第3回日本ボツリヌス治療学会一般口演 髙橋忠志(理学療法士)、尾花正義(医師)他【脳卒中後遺症に対してボツリヌス治療後、短期集中理学療法が歩行再建に有効であった一症例】
  • 痙縮地域e-symposium in 城南(2016年6月) 尾花正義(医師)【痙縮に対するチームボツリヌス療法】
  • 大田区B-VATI研究会-第1回リハビリテーション実技講座-(2016年11月) 尾花正義(医師)【チームボツリヌス療法について】

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